小論文の勉強というと、ひたすら文章を書く練習を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、実際に書く練習は必要です。しかし、小論文で求められるのは文章を書く力だけではありません。
語彙・背景知識・読解・要約などの学習と、実際に書く練習を組み合わせることが大切です。
まずは、小論文がどのような試験なのかを知り、必要な勉強を整理していきましょう。
小論文とは、どんな試験なのか?
小論文は、与えられた課題について、自分の考えを根拠とともに論理的に説明する試験です。
例えば、「学校でのスマートフォンの使用を認めるべきか」というテーマなら、賛成・反対を述べるだけでは不十分です。なぜそう考えるのか、どのような理由や具体例があるのかを示し、筋道を立てて説明する必要があります。
自分の感想や体験を自由に書く作文とは、求められるものが異なります。
また、大学入試の小論文では、自分の意見を書く問題だけが出題されるわけではありません。課題文を読んで筆者の主張を要約したり、統計資料から読み取れる内容を説明したりする問題もあります。
実際の入試では、どんな問題が出る?
大学入試の小論文には、さまざまな出題形式があります。
代表的なのは、次の3つです。
- テーマ型:指定されたテーマについて、自分の考えを論じる。
- 課題文読解型:文章を読み、要約や説明をしたり、その内容を踏まえて自分の考えを論じたりする。
- 図表分析型:グラフや統計資料などを読み取り、分析した内容や自分の考えを述べる。
ほかにも、英文を読んで論じる問題や、専門分野の知識が必要な問題もあります。
例えば、北九州市立大学法学部の2026年度学校推薦型選抜では、平等や能力主義についての課題文が出されました。
問題1では課題文の内容を340字以内で要約し、問題2では課題文で扱われた考え方について、自分の意見を480字以内で論じることが求められました。
大学が公表した採点講評では、課題文を最後まで読まずに要約を書き始めたり、文章の前半だけで字数を使いすぎたりした答案があったことも指摘されています。
単に文章を書く力だけでなく、課題文を正確に読み、重要な内容を整理する力も試されていることが分かります。
キリンジ先生要約を求められているのか、自分の意見を求められているのか。設問をよく読もう!
小論文に必要なのは、書く力だけではない
まず重要なのが、語彙力と背景知識です。
小論文では、社会・経済・医療・教育・環境など、さまざまなテーマが扱われます。
例えば、先ほどの入試問題に出てくる「能力主義」という言葉の意味を知らなければ、課題文を理解するのも難しくなります。
すべての分野に詳しくなる必要はありませんが、志望する学部・学科に関連する用語や基本的な知識は身につけておきたいところです。
次に、読解力と要約力です。
課題文では、筆者が何を主張しているのか、どのような根拠を示しているのかを正確に読み取る必要があります。
また、長い文章から重要な部分を取り出し、指定された字数でまとめる練習も欠かせません。要約問題では、自分の感想や意見を付け加えるのではなく、課題文の内容を正確にまとめます。
そして、論理的に考え、文章にまとめる力です。
自分の主張を明確にし、その理由や具体例を整理して文章にする。主張と根拠がつながっているか、途中で矛盾していないかなども重要です。
こうした力は、実際に文章を書き、改善を重ねることで身につけていきます。
小論文対策は、どう進めればいい?
まずは志望校の過去問を確認し、どのような問題が出題されているのかを把握しましょう。
比較的簡単なテーマなら、最初から自分の意見を文章にしてみても構いません。実際に書いてみることで、自分に足りない力も見えてきます。
一方で、課題文を読んでも内容が理解できなければ、現代文の読解や語彙の学習が必要です。テーマについて書く内容が思い浮かばなければ、背景知識を増やすことも考えられます。
キリンジ学習塾では、『ゼロから始める現代文』『現代文単語・キーワード読解』『小論文の書き方』などの教材を使い、生徒の現在の力や志望校の出題形式に応じて学習を進めています。
必ずしも現代文の基礎をすべて終えてから小論文を書くわけではありません。語彙や背景知識を学びながら、小論文を書く練習を並行して進めることもあります。
また、個別指導では、生徒が書いた小論文をAIと講師が添削し、フィードバックを行っています。
必要に応じて良い答案例も示し、内容や文章構成をどのように改善すればよいのかを確認します。良い答案例は、丸暗記するためではなく、自分の答案との違いを学ぶためのものです。
小論文には、書かなければ身につかない力もあれば、書くだけでは補いにくい知識や読解力もあります。
書く練習と、それを支える学習を組み合わせながら、答案を改善していくことが大切です。



