入試の過去問は、ただ解いて点数を確認するだけではもったいない教材です。
過去問演習で特に重要なのは、時間制限と配点です。同じ学力でも、問題を解く順番や時間の使い方によって、得点は変わります。
今持っている学力を、入試本番で最大限の得点に変える。そのための練習として、過去問を活用しましょう。
過去問は、1問よりも試験全体を見る
入試では、過去問とまったく同じ問題が出題されることはほとんどありません。一方、大問構成や出題単元、問題形式などには一定の傾向があります。
例えば、数学なら関数や図形がどのように出題されるのか。英語なら長文読解の分量や英作文の形式などです。
過去問では、こうした試験全体の特徴を確認し、今後の勉強で何を優先すべきかを考えます。
もちろん、間違えた問題を解き直すことにも意味があります。ただし、その1問の解き方を覚えることだけが目的ではありません。
不足している知識や解法が見つかったら、参考書などに戻り、同じ分野の問題にも対応できるように学習を進めましょう。
時間制限と配点を意識して解く
過去問に取り組むときは、本番と同じ制限時間で解きましょう。
その際に意識したいのが、問題を解く順番と時間配分です。
例えば、数学の難しい問題に15分かけた結果、後半にある比較的簡単な問題を解く時間がなくなったとします。
その難問を後回しにして別の問題から取り組んでいれば、同じ学力でも、もっと高い得点を取れたかもしれません。
また、配点が高い問題だからといって、必ずしも優先すべきとは限りません。得点できる見込みと必要な時間を考え、どの問題に取り組むかを判断することが大切です。
入試本番では、すべての問題を解き切れるとは限りません。過去問演習では、限られた時間で、どのように得点を最大化するかを練習しましょう。
キリンジ先生解ける問題を残して時間切れにならないように。解く順番も大切な戦略です。
時間内の得点と、延長後の得点を分けて考える
キリンジ学習塾では、過去問を解く際に、制限時間内で解けた問題と、時間を延長して解けた問題を必ず区別します。
制限時間になったら、まずそこまでの解答を記録します。その後は解答や解説を見ずに続きを解き、時間内の得点と延長後の得点を分けて確認します。
例えば、制限時間内では60点だったものの、時間を延長すると合計90点取れたとします。
この場合、知識や解法の不足だけでなく、問題を解く順番や時間配分、解答速度に改善の余地があると考えられます。
一方、時間を延長してもほとんど得点が増えなかった場合は、必要な知識や解法が不足している可能性があります。
同じ60点でも、その原因によって今後取り組むべき勉強は変わります。
こうした結果を分析し、次の過去問演習や参考書学習に反映させましょう。


最新年度の過去問は、むしろ早めに解く
最新年度の過去問は、むしろ早めに取り組むことをおすすめします。
最新年度の過去問は、自分が受ける入試に最も近い年度の問題です。 次の入試でも同じ傾向が続くとは限りませんが、今後の出題傾向を考えるうえで、特に重要な資料になります。
せっかく最新の出題傾向を把握できるのに、入試直前まで取っておくのはもったいないことです。早い段階で取り組めば、その傾向を踏まえて今後の勉強を進められます。
例えば、英語の長文読解の分量が多く、制限時間内に読み終えられなかったとします。入試まで数か月あれば、語彙力や読解力を強化し、時間配分を改善するための練習もできます。
なお、過去問に取り組み始める時期は、教科や学習の進み具合によって変わります。
キリンジ学習塾では、中学2年生の秋ごろまでに、英語・数学の中学3年間の範囲の学習と、標準的な入試問題の演習を一通り終えた生徒には、その段階で高校入試の過去問を一度解いてもらいます。
実際の入試問題を通じて、問題の難易度や時間配分、今後の学習課題を早めに把握するためです。
一方、まだ学習が進んでいない範囲が多い教科では、まず必要な学習を進めることが優先されます。
最新年度だけで出題傾向を判断せず、複数年度の問題も比較しながら、入試に向けた対策を考えていきましょう。
過去問を解いたら、点数だけで終わらせず、時間の使い方や問題を解く順番を振り返りましょう。
そこで見つかった課題を、次の勉強や演習に生かすことが大切です。

