高校数学を基礎から学ぶなら、旺文社の『入門問題精講』はおすすめしたい参考書の一つです。キリンジ学習塾でも、高校数学の基礎を学ぶ教材として使用しています。
この参考書を使うときに大切なのは、解説を読むだけで終わらず、実際に問題を解き、繰り返し取り組むことです。
ただし、最初の1周ですべてを完璧に理解し、覚える必要はありません。今回は『入門問題精講』の特徴と、キリンジ学習塾での進め方を紹介します。
『入門問題精講』は、数学の「考え方」を学べる参考書
『入門問題精講』は、高校数学を初めて学ぶ生徒だけでなく、基礎から学び直したい生徒にも向いている参考書です。
特徴は、問題に取り組む前の「講義」が充実していることです。公式や解法を紹介するだけでなく、なぜそう考えるのか、どのような考え方から公式が生まれるのかを丁寧に説明しています。
著者の池田洋介さんは、数学Ⅰ・Aの「はじめに」で、次のように書いています。
1問が解ける「公式」ではなく、100問に適用できる「考え方」
出典:池田洋介著『数学Ⅰ・A 入門問題精講』旺文社、P.2
公式を覚えることも必要ですが、その背景にある考え方を理解しておけば、初めて見る問題にも対応しやすくなります。
解説は、最初から読んでもいい
基本的には「講義」を読み、練習問題に取り組むという流れで進めます。
ただし、まだ学校で習っていない範囲を先取りする場合は、練習問題の解説を最初から読んでも構いません。初めて学ぶ内容を、自力で解けるまで考え続ける必要はなく、まずは解き方や考え方を学ぶことも大切な勉強です。
一方、すでに習った範囲であれば、まず自分で解いてみましょう。解けなかった場合は、解説を確認すればよいのです。
どちらの場合も大切なのは、解説を読んで終わらず、閉じてもう一度自分で解いてみることです。
解説を読んでも何をしているのか分からない場合は、講師に質問しましょう。キリンジ学習塾では、オンライン質問サービスのmanaboを利用して、その場で質問することもできます。
なお、解説の内容を一応理解できても、すぐに自分だけで解答を再現できるとは限りません。その場で解き直すことは大切ですが、どうしても難しければ、いつまでも同じ問題にとどまる必要はありません。
キリンジ先生解説を見てもOK! その後、自分で解き直すことが大切です。
最初から完璧を目指さず、繰り返し取り組む
参考書を使った学習は、ペンキを塗り重ねることに似ています。
ペンキは1回塗っただけでは、十分に色が乗らないことがあります。しかし、一度塗ることで下地ができ、2回目、3回目と重ねるうちに色が乗りやすくなり、きれいに仕上がっていきます。
数学の勉強も同じです。最初はよく分からなかった内容でも、一度学んでおくことで、次に取り組んだときには理解しやすくなることがあります。別の単元を学んだことで、以前は分からなかったことがつながる場合もあります。
数学Ⅱ・Bの『入門問題精講』では、「はじめに」で次のような学習姿勢が紹介されています。
最初からすべてを分かろうとしないこと
出典:池田洋介著『数学Ⅱ・B 入門問題精講』旺文社、P.3
著者は、分からなくても先へ進み、後から何度も読み直すことの大切さも説明しています。
キリンジ学習塾でも、最初から一つひとつの単元を完璧に仕上げるのではなく、まずは基礎範囲を一通り進めることを重視しています。
『入門問題精講』には練習問題のほかに応用問題もありますが、1周目からすべてに取り組む必要はありません。理解度に応じて、応用問題は後回しにしても構いません。
一度解けた問題でも、時間がたてば忘れることがあります。そのたびに同じ単元に戻っていては、なかなか先へ進めません。
まずは講義と練習問題を中心に全体を進め、その後も必要に応じて戻りながら、理解を深めていきましょう。



1周目は下地づくり。繰り返すことで、もっと理解しやすくなります。
『入門問題精講』は、何度も取り組みながら、高校数学の土台をしっかり作っていきたい1冊です。

